定時制高校に進学を考えてる方というのは、
・仕事しないといけない家庭環境
・全日制に行く成績・学力がない
・中学時代に人間関係で問題があった
・全日制を退学してしまった、留年してしまった
など、主にこれらの理由があると思います。
自分は全日制に進学するも、すぐに退学してしまったということが、翌年の定時制高校に入学した理由でありました。
定時制に入って良かったなと思うこと、悪かったなと思うこと、メリットとデメリットを自分の感覚だけで当時の現場視点から語ってみたいと思います。
定時制高校にも色んなタイプの高校があるので一括りにはできません。なので、あくまで自分の通っていた定時制の範囲での話だと思って読んで頂きたいです。
定時制の高校に進学したい方にとって参考になれば幸いです。
定時制高校のメリット・良いと思うところ
自由な時間が多くバイトで稼げる
全日制の高校に通いながらでもアルバイトはできると思いますが、やはり時間などの制限があります。
定時制であれば、夕方の17時半の1限目に間に合えば、長くバイトすることができます。
普通の飲食のバイトをしてる子でも長いシフトで月9万前後のバイト代を稼いでいました。普通にドカタなどの仕事をして20万以上稼いでる子も大勢いました。(ドカタの場合、親方の理解度が大切)
ほとんどが家庭の事情だと思うので、家にお金を入れたりもしてましたが、一人暮らしをしてるような子もいました。
常識的に高校生は本業は学業だと思いますが、仕事をしながらボチボチ通って高卒資格が欲しい方が大半だったと思います。
もちろん、普通の高校生らしく、週に3回5時間程度のシフトのバイトで数万だけ稼いでたような子もいました。そういう子は自由な時間が多くて趣味が充実してる感じでした。
真面目に通って大学や専門に進学した友達でも、定時制時代のバイト代はなかなか良い額だったと記憶してます。
授業時間が短い、先生が親身
定時制の高校は1日4限、1授業45分でした。
普通の高校の授業が長くて辛い子でも、定時制の授業だったら付いていけると思います。わからないことがあっても先生が親身に教えてくれます。
4年間と長い在学になりますが、それだけ授業のペースはゆっくりです。
勉強が苦手な子でも、定時制高校でなら良い成績を上げることは難しくないと思います。
好きな友達がいるとずっと楽しい
定時制はウマの合う友達を見つけることができると、とことん深く付き合えます。
いじめや家庭環境で中学時代に浮いてた子でも、定時制には同じ境遇の子は必ずいるので友達は作れると思います。
お昼にしてるバイトにもよりますが、学校前から遊ぶこともできますし、そこから一緒に登校もできます。
学校が遠くないのであれば、学校が終わった後も一緒に遊んだりもできます。
授業中も多少のおしゃべりは許されるので、近くで一緒に楽しく学ぶこともできます。
付き合ってるカップルは、毎日ずっと一緒にいる感じで、とても幸せそうでした。
しっかりと大学までの進学を視野に入れて真面目に過ごすにせよ、全然遊べると思います。
いじめがない
基本的に定時制の生徒は仕事と学校で単位を取ること(もしくはサボること)に忙しいです。
柄の悪い者同士が喧嘩することがあっても、大人しい子に飛び火した場面は一度も見たことがありません。
見た目や性格が個性的な子がいても、目を付けていじめるような子は1人もいませんでした。
心底、人間性がダメないじめッ子がいたとしても、そういう子は単位が足りなくなったり、先生に嫌がれて留年や退学の運命を辿るので、気にしなくても大丈夫です。
とりあえずは、いじめられてる子、いじめてる子は見たことはありませんでした。(女子は知りません。笑)
髪型・服装が自由
制服や髪型の規則が苦手な子にとって、定時制の自由な風潮は天国だったと思います。
ほとんどの生徒がバイトをしててお金があったので、美容室で流行りの髪型に切り、流行りの服装をしてました。当時はギャルやギャル男も多くいました。(おそらく同世代よりも洗練されてました)
足が太くてスカートが嫌な女の子はずっとジーンズを穿いてました。プールの時間もないので体型にコンプレックスがある子は助かったと思います。
ファッションが好きだったり、逆に自分の見た目にコンプレックスがある子にとっては、この服装自由は最高だったと思います。
多少の遅刻・サボりは許された
自分の通ってた定時制高校は時間にルーズでした。
仕事の都合で遅れたり早退したりという生徒は多くいました。
常識の範囲内ではありますが、多少の遅刻と早退が許される場面はありました。
これは先生によると思いますが・・・。
コスパが良い!お金がなくても大丈夫
基本的に定時制高校の入学金、授業料というのは安いです。
また制服も体操着・ジャージもいりませんし、教科書代もかかりません。
自分は少ないバイト代からでも授業料を払って通ってました。
修学旅行も日帰りがほとんどで、積み立てなどもありません。確か1万もしなかったと思います。
家庭の事情で公立の全日制の出費さえも痛いという子は、定時制に入ることで楽にはなると思います。
通学費の安い近所で、なおかつ真面目に通って毎日給食を食べれたら最高ですね!(買い弁になると高いので)
勉強が苦手でも大学推薦がもらえる
定時制の高校で毎日しっかり時間通りに登校して、すべての授業をしっかり受けれる生徒は少ないです。
基本的に授業の内容もペースが遅いので、ついていけないこともありません。普通に勉強してればテストでは良い点数が取れます。
自分が優秀ではなくても、周りが勝手に遅刻だのサボりだので余計なことをするので、普通に良い子にしてるだけで先生から良い目で見られます。
全日制の高校よりも良い成績、内申をもらえる可能性が高く、大学の推薦がもらえる可能性が高いと思います。
実際に自分の世代で、中学時代に勉強が苦手だったのに、推薦で大学に入れた子がいました。
定時制高校のデメリット・悪いと思うところ
1年余計に時間を食う
自分の通ってた定時制高校は4年生でした。
自分の高校は通信制も兼ねて通って3年生で卒業できる仕組みもありましたが、定時制だけに通う場合は卒業までに4年の歳月を要します。
十代の若者にとっての1年というのはとても長いもので、青春の1年が同じ場所で余計に続くと思うと嫌に思う人もいると思います。
夜飯が給食かコンビニ飯
自分の通っていた定時制高校は17時30分に1限目にスタートし、21時前ぐらいに4限目が終わり終業です。
中休みというのがあって、19時頃に給食が食べれます。
しかし、給食カードという月1で一気に給食費を払って食べる仕組みだったのですが、学校に遅刻しがちであったり学校をサボりがちな生徒にとっては勿体無い制度でした。(月に払った全ての給食が食べれないので)
大半は最初は給食を取っていても、次第に勿体無く感じて近所のコンビニで済ませる生徒がほとんどになります。
夕飯が毎日給食というのも微妙ですが、コンビニなどで済ませがちになるのも悲しいことです。
内申を悪くする誘惑が多かった(退学・留年多め)
自分の通ってた定時制の生徒の多くは遅刻が当たり前で、友達と授業中に抜け出すことも多くありました。
真面目に最初から最後まで授業を受ける生徒もいましたが、少なかったです。そのタイプの子達がみんなが腐った子という訳ではないので、それが余計に大変です。
真面目な子はしっかりと真面目なコミニュティに入って頑張れるのですが、そうでない輪に入ってしまうと誘惑が多いです。
その子がどんな友達を作り、どんな意思で学校に通うかによって違いはありますが、基本的には成績をさげる、内申をダメにする誘惑は多くあると思います。
また、それが原因で留年したり、退学してしまうことも多くあります。
制服に対してコンプレックスを感じた
定時制高校は私服が基本なので、制服に対しては変な憧れがあります。
女性で制服じみた服で登校してる子もいました。
全日制の子が部活帰りで制服を着てるのを見ては「制服って良いね」と会話した記憶があります。
男子で、どこかで出会った全日制の制服女子と付き合ってる子も多くいました。
卒業した後も、極端な年下(制服の高校生)が好きで目で追ってる友人もいます。
服装自由を楽しんでる生徒がいる一方で、やはり制服コンプレックスなのかな?と感じました。
全日制の行事との差に劣等感を感じる
定時制というのは全日制に比べて全般的にスケールが劣ります。
行事はハッキリ言ってショボいです。
文化祭にせよ、修学旅行にせよ、全日制の友達から聞く話と、自分の学校生活での行事を比べてしまうと、猛烈に劣等感を感じます。
4年生時は置いてかれた気分になる
定時制は全日制と比べて1年余計に高校生活を送らないといけません。
地元の同じ中学の友達は大学生になって楽しんでるのに、自分は今だに高校生として同じ校舎に通っている・・・。これほど悲しいことはありません。
地元の友達と交流が少ない人は何とも思わないと思いますが、今はSNSなどが発達してるので、どうしても目に入って置いてかれた気分になる方は多いと思います。
卒業後は引き目を感じる
大学に進学して、無事に就職したとしても、社会の中で高校時代の話になることは必ずあります。
そこで定時制に通っていたということで、どこか引け目を感じる部分はあります。
これは完全に人によると思いますが、大人になって定時制に通っていたことを隠したいと考える人も少なからずいると思います。
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