自分の通ってた定時制高校というのは、うるさい生徒とおとなしい生徒が半々でした。
入学した当初はうるさい生徒ばかりでしたが、そういう生徒というのは1年の秋頃には消えて、2年生に進級する頃には一掃(ほぼ)されます。
2年でもボチボチいますが、3年に上がる頃には悪いなりにも常識あるまともな子だけになります。
それでも、真面目に授業を進めたい先生にとっては悩みのタネは尽きません。
定時制史上最高に評判の悪かった2人の先生
定時制高校に勤めて長い先生というのは、良い意味でまともな授業を諦めてました。
基本的には真面目な子に対して真摯に向き合い、そうでない生徒(不真面目な生徒)に関しては、決まった時間は教室内にいさせ、配ったプリントに名前を書いて提出させてことをポイントにしてました。
良い子=良い勉強、成績を残して欲しい。悪い子=単位を落とさずに進級・卒業して欲しい。こんな割り切り方をしてたと思います。
つまり、うるさい生徒に関しては、基本的にガーガー言わずに、たまに勉強に関係ない会話で生徒を釣って、とりあえず最後まで授業にいてもらうことを重要としてました。
ただ、たまにうるさい生徒、授業を受けない不真面目な生徒に対してもしつこく食い下がる先生がいたのです。
教員としては真面目で素晴らしいのですが、そういう先生というのは大概は生徒と揉めて印象が悪くなりがちでした。
自分が巡り合った先生では、3年以降の数学の先生と、世界史の先生の2人の先生がそうでした。
全員が真面目に勉強に取り組んで欲しかった数学の先生
自分が3年生になった頃に、数学の先生が今までと違う方に変わりました。
その先生というのは、背が低く、メガネをかけてブスッとされた方でした。
生徒たちの私語がうるさいと、ジッと黙り、その生徒たちの方向を睨み続ける。
プリントを放置してる生徒の席まで行き、「わからないのか?」とやや冷やかし気味の態度で生徒を煽る。
そして、授業の進め方自体が、普通の定時制の先生よりもテンポが早め。
正直、真面目な子も含めてその先生のことは苦手でした。
しかし、その先生には面白い裏話があります。
自分の同じ地元の同じ中学だった奴に(ずっと仲良し)偏差値の高い公立高校に進んだ奴がいたのですが、聞く話によると、その先生は前までその偏差値の高い全日制の高校にいたという事実がわかりました。
地元の友達は、その先生のことが大好きだったのです!(そいつが数学自体大好きだったせいもあると思いますが)
全日制にいた頃はとても面白くて、バドミントンも上手くて、生徒から人気だったみたいです。
しかし、定時制に来てからは生徒の態度の悪さ、レベルの低さに嫌気が指したのでしょうか?
ってこともあってか、一応自分もその先生を良い先生だと思って接するようになったのです。
自分は比較的に先生の授業についていこうと頑張っていたのですが、他の生徒からの評判も悪く、授業中に嫌なことを言われまくり、後半は生徒と野猿の仲となってしまってました。
その先生は1年ぐらいですぐにいなくなったと記憶してます。見ていて悲しかったです。
全日制で良い先生だった人が、定時制に来ても良い先生になれるとは限らないという話です。
うるさい空気・自由な席移動自体が許せなかった世界史の先生
その数学の先生が来た時と同じ時期に、世界史の先生も別の方に変わりました。
中背中肉でメガネをかけて40代ぐらいの方です。声が大きくて元気な先生でした。
その先生は全日制と同じような形で定時制の子達にも授業を受けて欲しかったみたいで、授業中の私語には容赦無く「うるさい!」と注意し、仲良しの友達の近くに席を移動すると「戻れ」と怒っていました。
すでにその時点で多くの生徒からブーイングを食らってました。
しかし、授業の進め方自体は他の先生と変わらずスローペースで、とてもわかりやすい内容だったと思います。
自分はGacktが好きだったということで、当時は風林火山という大河ドラマを観ていたのですが、先生はそのことを知っており、自分と武田信玄と上杉謙信の抗争について毎回語り合ってました。
つまり、自分は早くから先生と仲良しになっていました。
時間が経つに連れで真面目な生徒は比較的に先生のことを受け入れていました。
しかし、お喋りが大好きな女子を中心に野猿の仲の生徒が多く、本人もちょっと傷心な感じでした。かわいそうに・・・。
その先生も1年ちょっとでいなくなったと思います。
教えるセンスがある先生でも、理想が高いとやっていけないということですね。
やはりある程度の妥協がないと・・・。
好きな先生だけに悔しいですけど、あの定時制ではそれが現実でした。
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